NHK大河ドラマ「真田丸」史跡巡り
2016年。
大阪の街にも六文銭の旗が彩り始めました。
今年はNHK大河ドラマ『真田丸』の舞台がここ大阪、天王寺地区ということもあり、
大いに盛り上がりを見せています。
主演の真田信繁を演じる堺雅人さんも、柔和で物静かであったと伝えられた幸村公にぴったりの配役ですね。
脇を固める草刈正雄さん、大泉洋さんの演技も楽しみです。
*ドラマでは本名の信繁で呼ばれますが、ここでは馴染みのある幸村公と呼ばせていただきます。
ドラマのタイトルである真田丸とは、幸村公が大坂冬の陣に備え、
大坂城唯一の弱点である南方を護衛するために築かれた砦です。
真田丸での攻防は「大坂冬の陣図屏風」にも描かれ、徳川軍に多大な損害を与えたと伝えられていていますが、
戦いが終わった後の講和により破壊されてしまいました。
以来、正確な場所が分からないままになっていた真田丸でしたが、
近年新たに見出された資料などから、城郭考古学の一人者である千田嘉博さん(奈良大学学長)が検証を重ね、その所在がようやく確定されました。
2月には跡地に建つ大阪明星学園のテニスコート側に真田丸の顕彰碑も建てられるそうです。
大河ドラマのオンエアをきっかけに、また訪れる人も増えることでしょうね。
茜丸本舗の所在地、天王寺地区は夕陽の美しい場所としても著名で、
四天王寺や天王寺七坂など数多くの名所が
あります。
幸村公ゆかりの史跡は、くまなく歩いても4kmほどのエリア内にあり、 気軽に散策できることからガイド付きのウオーキングイベントも数多く開催されています。 大河ドラマとあわせて探索すれば、いろんな発見があるかもしれません。
「日の本一の兵なり」
徳川家康にそう言わせしめた勇将・真田幸村公。
その幸村公終焉の地こそ、茜丸本舗からほど近い場所にある安居神社です。
安居神社は四天王寺の西、国道25号線を挟んだ北側に鎮座されています。
建立時期は不明ですが、太宰府へ流罪となった菅原道真公が休息したという記録から、
平安時代にはすでに鎮座していたであろうと考察されています。
戦国アニメやゲームなどのキャラクターとしても人気の幸村公は、
幅広い世代のファンに支持され、遠方からも多くの参拝者が訪れています。
境内の様子です。
ひとたび境内に入ると、国道の騒音はかき消され、かつて激戦が繰り広げられたこの地も
今は静粛な空気に包まれています。
心静かに兵たちの夢の跡を偲んでみてはいかがでしょう。
満身創痍の幸村公が
体を休めたと伝わる「さなだ松」
家康をあと一歩まで追い詰めるも叶わず、幸村公はここで生涯を終えました。
当時の松は既に枯れ、現在の松は昭和26年に植樹されたものです。
座する幸村公の像
幸村公には、その勇猛ぶりから馬上で槍を構える姿、悠々と采配を振るうイメージを思い浮かべるのですが
ここでは珍しく泰然と座する像が参拝者を出迎えています。
義に戦い、そして全力を尽くした幸村公の穏やかな眼差しが今の大阪を見守ってくれているようですね。
毎年5月5日には幸村が討たれた命日である5月7日にちなみ、 幸村まつり(慰霊祭)執り行われ、 赤い甲冑を身につけた大阪城甲冑隊らも見られます。
今年は大河ドラマと相まって、さらに多くの方々が参られることでしょう。